工学部メールマガジン[第34号]2022年4月配信

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                静岡大学工学部 [第34号] 2022年4月 配信
  http://www.eng.shizuoka.ac.jp/outline/magazines/
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  ☆☆☆ 第34号発行 ☆☆☆
  このたび,メールマガジン第34号を発行いたしました.
  本メールは,静岡大学工学部の近況についてお送りします.
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┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┃ 1. 【特別寄稿】

┃ 2. 【工学部のNews & Topics】

┃ 3. 【工学部の研究紹介】

┃ 4. 【お知らせ】

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[1] 【特別寄稿】
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インターアカデミアアジアでの工学部・工学専攻の紹介

学術院工学領域 化学バイオ工学系列
国際連携推進機構
宮﨑さおり(国際交流委員・留学生担当)
 

 2022年1月28日、コロナ禍にあってオンラインでの開催となったインターアカデミアアジアに参加しました。インターアカデミアアジアは静岡大学と東アジアの協定校との交流を主たる目的として、2014年から開催されています。2014年、2015年、2017年は静岡大学がホストを務めました。各大学の教員と学生を迎えて浜松キャンパスと静岡キャンパス両方でキャンパスツアーが行われ、実際の研究現場をお見せするなどして、インタラクティブな交流が行われてきました。2016年にはインドのSRM大学がホストとなりインド・チェンナイで開催され、修士課程の学生75名による研究の口頭とポスターによる発表が行われました。(詳細は国際連携推進機構HP 静岡大学の国際交流を参照のこと:
https://www.suoic.shizuoka.ac.jp/aboutus/inter-academia-asia/)
 本年度のインターアカデミアアジアは、大規模な研究発表会は行われず、主に協定校の学部学生へ静岡大学の総合科学技術研究科の4つの専攻を紹介することを中心に行われました。1日目には情報学・理学・工学・農学専攻から各1名の学生が自身の所属する研究室を紹介するなどし、2日目は同じく各専攻の教員が専攻の特色と研究について紹介をし、入試やカリキュラムの話だけでなく、より研究を身近に感じてもらうようなプレゼンテーションが行われました。私は工学専攻で重点的に行われている研究分野の1つである光工学分野や医工学分野とグリーンケミストリー分野について幾つかの研究室の研究成果を交えて工学専攻を紹介いたしました。また工学部が「ものづくり」と「やらまいか精神」に基づいてチャレンジし、創造する校風を大切にしていることについて、高柳健次郎先生のご紹介や新しく建てられた電子工学研究所、また学部1年時に、学科問わずに行われるロボットコンテストを含む「ものづくり実習」などを紹介することで説明をいたしました。その後には、今後、静岡大学総合科学技術研究科への進学を目指す学生からの質問を受けました。工学専攻に対しても、どのように興味のある分野に近い教員を探せば良いのかなどの具体的な質問がありました。
 学生との交流の後は教員が集まり、話し合いが行われました。長年の交流を通して、東アジア各国の教員がそれぞれお互いを知っており、オンラインではありながら再会を大変喜んでいたのが印象的でした。また、参加された先生の多くがかつて日本に留学経験があり、日本語を流暢に話され、現在は各大学で活躍されていることを知り、大学が留学生を受け入れることの意義について再認識させられました。留学生の全員に日本で有意義な体験をしてもらい、世界で活躍してもらうことは時に難しいことかもしれません。文化的な違いやお互いの言語能力不足からくる誤解などの蓄積で、ともすれば留学生の受け入れに後ろ向きの意見を耳にすることがあります。しかし、確かにそこに質が高く、日本に共感を持って理解してもらえる国際交流の芽があるのだと感じました。コロナ禍で水際対策により日本政府は外国人留学生への査証発行を停止しており(2022年2月現在)、外国人留学生は静大に在籍しながらも海外で入国を待っている状態です。このような状況から今後日本を留学先に選択する学生は減る可能性も考えられます。静岡大学の工学部・工学専攻が、引き続き世界に向けて魅力ある場所であるように私自身もその一員として良い研究をし、また広報活動での努力を継続していく必要があると感じた次第です。

追記: 2022年3月より外国人留学生の日本への入国が再開されました。


 
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[2] 【工学部のNews & Topics】
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■ 新任教員の紹介

学術院工学領域
電気電子工学系列
准教授 松永 真由美
 

 2021年4月に工学部電気電子工学科に着任した松永真由美(まつなが まゆみ)です。九州大学・大学院(修士・博士後期)を卒業・修了後すぐに愛媛大学の助教となり、令和4年度で大学教員歴23年目を迎えます。様々なご縁に導かれ、米国ワシントン大学(シアトル)、京都大学や東京工科大学における研究や教育活動を得て、約1年前に静岡(浜松)の地に参りました。昔から私をよく知る友人知人は、「真由美は西から東へと旅路を進めているので、次は海を越えて東へ進むのか?それとも北か?と思っていたが、少しだけ西へ戻ったのね(笑顔)」と言います。しかし、当の本人は、偶然の導きで西から東へと旅路を進めているだけで、そのこと自体には何の意味も無いと思っています。私自身は常に、世界中の何処であっても私を受け入れる勇気を持ってくださった組織(大学)において、私の役割を精一杯果たすことに精進しているだけなのです。従いまして、私を受け入れる勇気を持ってくださった静岡大学には感謝すると共に、私も役割を果たすという勇気をもって精進しております。
 大学生の頃より「電磁波工学」を専門としています。電磁波の物理的振る舞いを数学的に表し数値解析する手法を提案し、実用技術へ応用する事が私の研究者としての役割です。電磁波はありとあらゆる技術へと応用されていることから、電気電子分野に限らず携帯電話から宇宙にいたるまでの様々な学問分野や技術分野の皆様と一緒に未来を創造することにチャレンジする日々を送っています。一方、教育者としては、IoT技術の発展を背景に需要が高まるマイクロ波技術者・研究者の育成を「若者たちが自らの頭で考え自らの人生を切り開く勇気を持つお手伝い」をモットーに、何事も学生たちと一緒に考え一緒に歩む姿勢で行っています。
研究の詳細や学生さんの様子、そして私の独り言などを記載しているホームページを作成しております。ご興味ありましたら、ご覧いただけますと幸いです。

https://mmayumi.lekumo.biz/jp/


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■ 将棋部 ~全日本学生将棋団体対抗戦(学生王座戦)6位~


将棋部
青木 健悟

こんにちは、静岡大学将棋部です。
 最近では藤井聡太さんの活躍もあり、しばしば将棋のニュースを目にすることもあると思いますが、皆さんは将棋に対してどのようなイメージがありますか?
 私の個人的な意見にはなりますが、将棋の魅力の一つに「偶然や運の要素が絡まない」点が挙げられると思います。負けたときは自分の責任です。運の要素がないため言い訳することはできません。それはとても厳しく辛いものですが、逆に勝利した時の喜びは格別です。
 さて、静岡大学将棋部は静岡キャンパスと浜松キャンパスに分かれていて、春と秋に行われる中部学生将棋大会を目標に活動しています。昨年に行われた秋季中部学生将棋団体戦では28年ぶりに優勝することができました。続く全国の舞台である学生王座戦でも6位と初出場ながら健闘しました。
 浜松キャンパスでは火曜日と土曜日の週に2回、13時から課外活動共用施設2階の和室で活動しています。部員は大学から将棋を始めた人から、全国大会経験者まで幅広い棋力の人がいて、先輩後輩の仲もいいです。基本的には部員同士での対局がメインですが、他大学との交流戦や、大会前には静岡キャンパスのメンバーとの合同練習もあります。
 今年は、昨年の秋に続いて春の団体戦でも優勝できるように、部員同士で切磋琢磨しながらより一層研鑽を積んでいきたいと思います。

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[3] 【工学部の研究紹介】
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「高分子の界面現象の解明と材料設計」

学術院工学領域  
化学バイオ工学系列
准教授 織田 ゆか里
 

 高分子は身の回りのあらゆる場面で使用されています。高分子と異種相との界面近傍において起こる様々な現象、例えば、濡れ、摩擦、接着・粘着、物質吸着・透過などの制御は、幅広い分野の材料開発において重要です。このような界面現象は、材料内部とは異なる界面特異的な高分子鎖の状態(凝集状態や熱運動性)と深く相関することが明らかとなりつつあります。しかしながら、界面挙動は非常に複雑であり、未解明の課題が多く存在しています。
 私たちの研究室では、このような高分子の界面現象の中でも特に、物質吸着や接着・粘着を研究対象としています。界面における高分子鎖の状態や、界面現象の発現機構について、種々の分光分析法や走査型プローブ顕微鏡等を使って解明します。例えば、光学反射測定では、適当な基板上に調製した高分子薄膜に可視光を当て、反射した光を解析することで、薄膜の厚みや屈折率、表面の粗さ等の情報を得ることができます。高湿度環境下で同じ測定を行うことで、高分子薄膜への水の収着挙動を、ナノメートルオーダーで、かつ時分割で評価できます。下の写真はその装置の一部です。このような評価法を駆使しながら、界面現象の発現機構、ならびにその高分子の分子構造との相関について研究します。得られる知見を基に、界面現象を制御するための分子設計指針の提案を目指します。また、既存の高分子材料を効率的に機能化するための界面改質法の開発も進めます。得られる成果は、材料開発における省エネルギー・省資源化にも寄与できると期待しています。
 私たちの研究室は2021年10月に発足しました。最初は空っぽだった部屋に、少しずつ実験装置・器具等が揃い、徐々に研究環境が整ってきました。配属第一号として当研究室に来てくれた学部学生さんと一緒に、研究を進めています。(研究室のURL: https://wwp.shizuoka.ac.jp/oda-yukari/

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[4] 【お知らせ】
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■創立100周年

 静岡大学工学部は、2022年に創立100周年を迎えます。それに合わせて記念事業が行われます。皆様のご協力をお願いいたします。

https://wwp.shizuoka.ac.jp/hamacam100/

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■令和3年度学位記授与式

 令和4年3月17日(木)、令和3年度静岡大学学位記授与式(浜松地区)がアクトシティ浜松大ホールにて約800名の出席者を得て対面で挙行されました。この日、1,112名の学生が修了もしくは卒業しました。

https://www.shizuoka.ac.jp/news/detail.html?CN=8034

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       ~最後までお読みいただきありがとうございました~

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