岡部 拓也准教授(電子物質科学系列)と吉村 仁教授(数理システム工学系列)がクラゲ触手の均等配列を解明

 静岡大学学術院工学領域 岡部 拓也准教授と吉村 仁教授が、クラゲの触手がしめす規則的な配列の生物物理学的な意味を明らかにしました。
 クラゲの触手の並び方は、一見したところデタラメのようにみえますが、実際はかなり規則的であることが、今からちょうど百年前(1916年)に木下 熊雄により発見され、動物學雑誌に日本語で発表されました。この事実は駒井 卓と山路 勇により確認され、1945年に日本動物学会の欧文誌に発表されたのですが、その後これらの論文は参照されることなく、この事実は世界的にまったく知られないまま現在に至ります。
 今回この問題に進化の観点から理論的説明を与えることに成功しました。触手の数はクラゲの成長にともない増加していきます。クラゲは原始的な生物にもかかわらず、触手の並び方は驚くほど高い精度で数学的に決まっています。まさにクラゲが実際に採用している並べ方のときに、次々と生えてくる触手の「ばらつき」具合が最適に保たれることを明らかにしました。興味深いことに、この最適配列は、コンピュータ検索アルゴリズムでフィボナッチハッシングとして知られるデータ配列方法と同一物となっています。
 本成果は英科学誌サイエンティフィック・リポーツ電子版に掲載されました。

記事転載:静岡新聞 平成28年7月22日掲載(静岡新聞社編集局調査部許諾済み)

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