浜松南高校との高大連携実験実習講座を8月9日に開催しました。
静岡大学工学部では2011年8月9日、浜松南高校の生徒を対象に実験実習講座を実施しました。
日時:2011年8月9日 9:00~15:30
場所:静岡大学工学部佐鳴会館会議室及び各学科の研究室・実験室
参加者人数:理数科36名
スケジュール
9:00~ 9:50 佐鳴会館会議室へ集合・静岡大学工学部の紹介
9:50~10:00 受講する実験テーマの確認,各学科の実験室へ移動
10:00~12:00 選択した実験テーマの内容に関する講義と実験
12:00~12:50 昼食,昼休み(図書館は自由に見学可能)
13:00~15:00 選択した実験テーマの内容に関する講義と実験
15:00~15:30 佐鳴会館会議室に集合。質疑応答
15:30 解散
実験実習場所: 機械工学科 A:機械工学科棟1階118室
B:総合研究棟4階リフレッシュスペース
電気・電子工学科 C:電気電子棟3階305室
D:電気電子棟3階302室
物質工学科 E:物質工学科1号館1階120室
F:物質工学科1号館2階233室
システム工学科 G:システム棟1階101室
H:システム棟1階101室
各学科が用意している下記のA~Hの8つのテーマから各自2つ、ほぼ均等の人数のグループに分かれて取り組みました。実習はそれぞれ午前・午後の計2回行われました。
A.日本刀の科学-微細構造観察と硬さ測定
(機械工学科/矢代茂樹教員/機械棟118室)
日本刀の伝統技術は,現在でもオートバイや自動車の歯車などに活用されています。日本刀には物を切断する鋭利さだけでなく,耐衝撃性や耐摩耗性も要求されてきました。本実験では日本刀の微細構造を観察し,微小硬さを測定することにより,日本刀で培われた工夫を科学してもらいます。
B.まわりの流れから物体が受ける力
(機械工学科/真田俊之教員/総合研究棟4階リフレッシュスペース)
飛行機が飛ぶ理由や変化球の原理など,まわりの流れから物体に働く力について学習します。ベルヌーイの定理,揚力および抗力に関する講義により予備知識を学びます。また,簡易風洞を用いて形状の異なる物体に働く抗力を計測したり,卓球マシーンを用い変化球を体験したりして,理解を深めます。
C.波をあやつる
(電気電子工学科/羽多野裕之教員/電気電子棟305室)
「波」の特性を利用した便利なアプリケーションが存在しています。本実験ではこの「波」の中で電磁波や音波を紹介します。特に音波については、超音波の送受信体験やパソコンを用いた音声分析、信号処理による音声変換体験(ボイスチェンジャー)を行います。
D.マイコンによる計測制御と風力発電
(電気電子工学科/松尾廣伸教員/電気電子棟302室)
あらゆる機器がコンピュータ制御によって動作しています。ここでは、簡単な電子回路を作成してPICマイコンによる制御を行うとともに、計測システムの基礎を学びます。さらに、計測対象として風力発電機を用いて自然エネルギーからどのように電気エネルギーが得られるのかを実際に体験します。
E.DVD分光器の制作と分光実験
(物質工学科/戸田三津夫教員/物質工学棟1号館120室)
DVD-Rを回折格子として用い分光器を製作し、様々な光や原子が関係する現象を解析します。作った分光器は持ち帰ってもらいます。当日は、レーザ光、照明ランプ、炎色反応、太陽光、赤熱している電熱線などの光を分光してみます。
F.触媒の威力を見る-お酒からクリーンな水素エネルギーを製造する
(物質工学科/福原長寿教員,渡部 綾教員/物質工学棟1号館233室)
昨年度にノーベル化学賞を受賞した鈴木博士と根岸博士の研究のように,“触媒”材料の開発は日本が世界に誇る研究分野です。この実習では,“触媒”とは何かを紹介しつつ,クリーンな未来型発電である燃料電池を動かすための燃料水素の製造実験を体験します。
G.サーミスタを用いた温度制御
(システム工学科/近藤 淳教員/システム工学科棟1階101室)
快適な温度に保つことは,快適な生活を行うために重要です。そこで,サーミスタの温度による抵抗変化を利用した温度制御の実験を行います。オペアンプを用いたシュミット回路を利用することにより,クーラー(またはヒーター)温度T1度でがONになり,温度T2度でOFFとなる制御を学びます。
H.光情報処理(画像処理と暗号)
(システム工学科/生源寺類教員/システム工学科棟1階101室)
身の回りには光を利用した技術がたくさんあります。
このテーマでは光のもつ物理的な特性を利用した情報処理技術について、「レーザやレンズを用いた画像処理実験」と、「2枚の暗号画像を重ね合わせるだけで秘密の画像が復号される視覚復号型暗号」、を通じて実習します。